株式を購入する場合は証券会社に注文しますが、株式の売買が決まる仕組みを知らないと、希望する銘柄がいつまでたっても購入できなくなります。

株式の売買は需要と供給のバランスによって決まるため、その日の注文状況によって売買価格が変わります。

なお、株式市場における売買は基本的に、「ザラバ方式(オークション方式)」で行われます。ザラバとは、その日の最初の取引(寄り付き)から最後の取引(引け)までの取引時間ことです。

そして、株式の売買における基本情報となるのが、買い注文と売り注文が表示されている「板」です。
その板は証券会社のWEBサイトで確認できます。
板を見れば、銘柄ごとにどの価格帯にどれくらいの量の注文が入っているのかがリアルタイムで分かります。例えば、以下の指値での注文情報が載っていたとします。

・1,750円:売り数量1,500
・1,740円:売り数量1,200
・1,730円:売り数量900
・1,720円:買い数量600
・1,710円:買い数量800
・1,700円:買い数量1,100

上記の板では、最も安い売り注文は1,730円の900株で、最も高い買い注文は1,720円の600株です。
従って、この時に指値で1,730円の注文を出せば900株まで購入できます。ただ、1,720円で買おうとすると、既に600株の注文が出ているため、その600株が約定されないと購入できません。

なお、この板の時に指値注文より優先される成行注文で1,000株の買い注文が入ったとします。成行注文は価格が関係ないため、最も安い価格の1,730円の900株が約定され、残数の100株が次の売り価格の1,740円で約定されます。

また、上記板において、新たに1,700円で1,000株の売り注文が入ると、一番高い買い注文である1,720円の600株が約定され、次の1,710円の価格で残りの400株が約定されます。

取引における2つの原則

株式市場での取引は、「時間優先の原則」と「価格優先の原則」に則って売買されます。
1.時間優先の原則

時間優先の原則というのは、同じ価格で指値注文を出した場合は先に出した注文が優先されるというものです。簡単に言えば、早い者勝ちです。なお、成行注文は指値注文に優先されますが、成行注文が複数あった場合は先に出した成行注文が優先されます。

2.価格優先の原則

注文の価格が異なっていた場合は以下のものが優先されます。
・売り:最も価格の低い注文
・買い:最も価格の高い注文

例えば、2,000円で売りたい人と2,100円で売りたい人がいた時は2,000円の人が優先、1,000円で買いたい人と1,100円で買いたい人がいた場合は1,100円の人が優先されます。